「生徒会って必要なの?」「どうせ形だけでしょ?」
そんな声が上がる今だからこそ、改めて知ってほしい「生徒会のはじまり」。実は100年以上前から、“自分たちで学校をつくる”という挑戦は始まっていました。
生徒会のはじまりは、大正時代の「声」だった
明治末期から大正時代、日本では「大正デモクラシー」と呼ばれる民主主義の機運が高まっていました。
この流れの中で、学校教育にも“自由”と“自治”の考え方が導入され、一部の学校で「生徒による運営」が始まります。
具体的には、以下のような活動が報告されています:
- 学級代表が集まって学校への提案を行う
- 図書室の本の管理を生徒が担当
- 掃除当番の分担や校内の整備計画を生徒で立てる
当時は「生徒会」という名前ではなく、“生徒組織”や“自治の会”と呼ばれていたこともありました。
制度としての「生徒会」が誕生したのはいつ?
戦後の1947年、教育基本法と学校教育法が施行されると、全国的に「生徒会制度」が整備されはじめます。
そこには、次のような時代背景がありました。
- 敗戦直後の日本で「民主主義」を根づかせたいという国の方針
- 教師主導ではなく、生徒の声で学校を動かす仕組みづくり
こうして、ほとんどの中学校・高校に「生徒会」という名前の組織が制度として導入されていきました。
初期の生徒会は、学校を“支える力”だった
戦後まもない時代、物資や人手が足りなかった学校では、生徒会が学校運営の中核を担っていました。
- 教科書や文具の配布と管理
- 募金活動の実施と地域への支援
- クラブ活動の整備とルールづくり
これは単なる“手伝い”ではなく、「自治の訓練」として認識されていたのです。
「生徒会」という仕組みの本当の価値とは?
私たちは、生徒会を「イベント係」や「学校から言われたことをやる人」と見てしまいがちです。
でも、そもそも生徒会は、“生徒が学校をどうしたいか”を話し合い、行動する場として生まれました。
いま、答えのない課題があふれる社会において、生徒会のような「自治」の力が再び求められています。
まとめ:時代をこえて生きる「自治」の精神
年代 | 出来事と意味 |
---|---|
大正時代 | 民主主義の広がりと共に“生徒の声”が動き出す |
1947年 | 教育基本法の制定、生徒会制度が全国に導入 |
戦後〜昭和中期 | 物資不足の中、生徒会が学校運営の支援を行う |
現代 | 自分たちで考え、動く力として「自治」の価値が再注目 |
この記事は、生徒の“想い”がカタチになる社会を目指すACT(Active Council Team)が提供しています。もしあなたも「学校を変えたい」「何かやってみたい」と思ったら、その一歩が「生徒会」かもしれません。